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【一人目の記録】重症妊娠悪阻で入院!寝たきりで吐き続けた壮絶な悪阻地獄を経験

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妊娠が分かり、夫婦で大喜びしたのもつかの間、すぐにつわりが始まりました。私、これがものすごく酷い体質だったようで、動くことすらままならず嘔吐ばかりの日々。

「重症妊娠悪阻(おそ)」と診断され点滴のために通院していましたが、脱水症状で動けなくなり入院を余儀なくされました。妊婦全体の1%未満しかならないと言われている重症妊娠悪阻の実態を、経験者としてお伝えします。

こんな方に読んでほしい
  • 今ものすごくつわりが辛く、病院へ相談に行こうか迷っている人
  • 既につわりで点滴の通院をしているが、改善が見られない人
  • どれぐらいのレベルで「重症妊娠悪阻」になるのか知りたい人
  • もし入院したらどのような生活になるのか不安な人

重症妊娠悪阻って?つわりとは違うの?

そもそも、重症妊娠悪阻(おそ)って何?聞きなれない名称ですよね。私も自分が妊娠するまで「つわり」しか知りませんでした。

「つわり」の症状が悪化し、脱水、栄養代謝障害などを来たしたものを妊娠悪阻といい、全妊娠の0.5%前後に発症する。栄養や水分を経口摂取できない場合や5%以上の体重減少、尿中ケトン体陽性の場合は本症の発症を疑う必要がある。

日本医科大学多摩永山病院HPより引用

簡単に言うと、つわりのひどいバージョン。といっても、本来のつわりを知らないので比較できないのですが、「・・うっ!」と始まり「つわりで気持ち悪い~」っていうのを想像していたので、想像をはるかに超えて、それはそれはもう、ものすごく辛かったです。

上半身の臓器を取り出してじゃぶじゃぶ洗いたい・・と思うぐらい、強烈に気持ち悪かったです。絶対にありえないのですが「もうやめたい」「死ぬかもしれない」と毎日泣いていました。

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「重症妊娠悪阻」の診断~入院に至るまで

私の場合は、もともと分娩施設のないクリニックの産科に通院していました。職場の通勤途中にあり利便性が良かったのです。妊婦健診は34週までここに通い、35週以降は分娩予約した産院で検診をして出産、するつもりでした。

妊娠5週からこのクリニックにつわりの点滴に通院していたのですが、妊娠6週で「重症妊娠悪阻」の診断(休職しました)、妊娠10週で紹介状を出されて総合病院へ転院し即入院となりました。(そのままこの総合病院で出産までお世話になりました)

診断は、尿検査や血液検査での結果で総合的に判断するようです。嘔吐が頻回で飲食ができていない場合は、尿検査での「ケトン体」数値が陽性であると思われます。

生体は糖分を分解するだけではエネルギー供給が間に合わず、脂肪からエネルギーを作り出そうとします。そのように作り出された代替のエネルギー源がケトン体です。
健康な人でもごく微量は尿中に排泄されていますが、この程度の量では検査で陽性にはなりません。したがって、尿ケトン体が陽性になるということは、摂取すべき糖質が不足していると考えられます。

私は、この尿中ケトン体が最高数値の4+でした。

重症妊娠悪阻って‥どんな状態になるの?

私の場合は、1日に10回以上の嘔吐。初めはトイレで吐いていたのですが、だんだんトイレまでも間に合わず、ベッドからゴミ箱や床に・・しまいにはベッド上もパジャマも、嘔吐物まみれに・・・。

ずっとトイレに居られたらよかったのですが、便器が胸部に当たって痛いんですよね。小さな椅子を設置して座って吐いたり工夫はしたのですが、やはりずっと便器に向かうのは辛い。とにかく横になりたくて、基本ベッドに居ました。

妊娠5週当初はパンやフルーツ、ゼリーなど、食べられるものを食べていましたが、これらも2,3日ですぐに受け付けなくなりました。そうめんやサイダーなど、頭に思い浮かぶものはすべて試しましたが、食べられるものはなくなり・・・

食べられないので吐くものがないのですが、黄色や緑の液体をひたすら吐いていました。逆流炎で食道が切れて、血も混じるようになっていました。

その結果、尿が出なくなり、体重減少で手足のお肉がなくなり骨と皮だけに・・・脱水症状で動けなくなりました。寝室からトイレに向かう途中で失神したらしく床に倒れていたり、突然目の前の世界が真っ白になって(もしかして死んじゃったのかな)と思ったら、便器の中で気を失っていたこともありました。

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ひどいつわり‥重症妊娠悪阻で入院

クリニックの紹介状を持って、総合病院へ。このときは脱水症状で喉がかわいて、まるで砂漠にいるかのような状態でした。でも一口飲んだら一口吐いてしまう。そのため、待合室で主人の膝の上に横になりながら「喉が渇いた・・」と、唇に水を塗って濡らしていました。

できることはもうこのぐらいだったのです。このとき、体重は妊娠前から約9キロ減っていました

その後、車いすで病棟へ運ばれ、入院スタートと同時に点滴開始。すぐに体重が2キロ増えました。水分が2キロも足りていなかったようです。

その後に会った看護師さんや主人、会う人会う人に「顔色がだいぶよくなったよ~」と言われたので、脱水症状が回復するだけでも随分違うんだと思います。

気持ち悪さは相変わらずでしたが、入院してよかった・・!とすぐに思えた出来事でした。

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入院期間

妊娠10週~11週に入院。
妊娠12週~15週に再入院。
一度は退院したものの、再度脱水症状になり再入院しました。2回のトータルで、1ヶ月程の期間を病院で過ごしました。

入院時に4+だった尿中ケトン体は、退院時1+まで回復しました。しかし、吐き続けていたので消えることはありませんでした。

入院中の治療

残念ながら、悪阻に治療薬というものはありません。(こんなに医療が発展しても悪阻を抑える薬はないんですね・・)入院中は、点滴と内服薬でしのぐしかありませんでした。

  • 点滴

24時間流しっぱなし。点滴1本を8時間かけて流します、それを1日3本。1本目は「ビタミン剤+吐き気止め」、2・3本目は「栄養剤」でした。(前クリニックの時は通院だったので、同量の「ビタミン剤+吐き気止め」を30分程で一気に流していました。)

  • 内服薬

「吐き気止め」と「胃酸による胃や食道の炎症を抑えるもの」の2種類でした。胎児への影響は心配しなくて大丈夫、とのことだったので、藁にも縋る思いで服用していました。

しかし残念ながら「吐き気止め」は点滴・内服薬ともに、私はまったく効果を感じることはできませんでした。胎児への影響のない程度のものですし、悪阻の気持ち悪さがこれで改善されるほど甘くはないですね。常に袋をかぶせた容器を常備し、点滴しながら吐いていました。

入院中の生活

ひたすら気持ち悪いので、ずっとベッドで寝て過ごします。何をしていても気持ち悪く、1分1秒が長く感じました。毎朝決まった時間に、看護師さんが体温や血圧、体調の確認に来られるのですが、赤ちゃんの心拍確認もしてもらえたので入院中は毎朝心拍が聞けるのが唯一の楽しみでした。

  • 病室

産婦人科の病棟で4人部屋。同部屋に重症妊娠悪阻で入院している人はおらず、切迫流産で安静のために入院されている方ばかりでした。安静指示は出ているものの体調的には元気そうな方ばかりで、お話をされていたり病院食を完食されていたりと、聞こえてくる会話がうらやましかったです。

つるママ
つるママ
(わたしももう少し耐えたらきっと治まるんだ・・!)

と言い聞かせていました。(1日中、嘔吐やげっぷの音、吐きましたのナースコールや点滴交換の電子音、きっと同部屋の方はうるさかっただろうなぁ・・・)

  • お風呂

吐き気がひどくて、ほとんど行くことができませんでした。毎日、温かいタオルで身体を拭いていました。少し体調がマシな日に、点滴部分に防水対策をしてもらってシャワーを浴びます。貧血で倒れそうだったので、いくつかあるシャワー室の中でも椅子付きで段差のないシャワー室を予約して使わせてもらっていました。湯気やシャンプーなどの匂いで何度もえずいて、とても辛かったです。

  • 食事

初めの頃は何も食べられませんでした。点滴からの栄養のみ。徐々に、院内コンビニのプリンや蒸しパンなどを食べ始め、それが食べられるようになってようやく病院食になりました。おかゆは通常の半分。それでも全体の1/3も食べられない日々でした。おかゆ量が多かったので、2回目の入院では軟飯にしてもらいました。牛乳や味噌汁を飲むと、吐きやすかったので意識的に残したりしていました。

実際に食べていた病院食がこちら(朝食・昼食・夕食)

主治医
主治医
後から吐いちゃっても、粘膜から多少は吸収しているから、食べられるものがあったらなんでも食べてみてね

毎食、食後にものすごい吐き気がきました。吐いてしまうのですぐに横になれず、30分程座った状態で耐えていました。嘔吐するたびにナースコールをしていると、あまりに頻回なので、嘔吐物を入れた袋がいくつか床に溜まってからナースコールしていました。


つわりによる胎児への影響

重症妊娠悪阻で何も食べられず、常に吐き続け身体はやせ細り・・・おなかの赤ちゃんは無事だろうか?と心配になるものです。特に初期は、お腹のふくらみもさほどですし、胎動もまだ感じられないので不安になりますね。

でも、大丈夫。この時期の赤ちゃんは、ママに蓄えられている卵黄嚢という組織から栄養をもらって、すくすくと成長しています。

それでも当時の私は1日中吐いていたので

いやいや、この身体に蓄えられてる栄養なんてもうないんじゃ・・・

と本気で心配していました。

しかし、悪阻による母体の体調赤ちゃんの成長は、まったく別物なので心配いりません。実際に、吐いた回数はトップレベルではないかと自負している私ですら、胎内ですくすくと成長した元気いっぱいの赤ちゃんを出産することができました。

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悪阻がひどい体質だった私、産後のいま思うこと

つわりは、人それぞれで私のように重症で入院するほどひどい人もいれば、まったくない人もいます。母も安定期には治まっていたので遺伝でもないようで、こればかりは体質なんだと思います。

本当にもう「これは一体なんの罰ゲームなのか」と思うほど辛く、周りと比べてなぜ自分だけがこんなにもひどいのかと自分の体質を恨みました。

主治医
主治医
これだけつわりがひどいってことは、赤ちゃんが順調ってことだよ!
つるママ
つるママ
はい・・・
(でも、ひどくなくても順調な人たくさんいるのに。涙)

主治医の先生に限らず、本当にこれまでの人生で経験したことのないレベルの体調不良の中、周りの人からはさまざまなことを言われます。

つわりはみんな辛いもんだよ~
家にいるより仕事してる方が気が紛れるからいいよ!
つわりも辛いけど、産んだらもっともっと大変だよ~!

先輩ママとしての助言ですし悪気はないと思うのですが、これらの言葉は本当に言われたくなかったです。つわりの症状は人によって全然ちがいます。

特に毎日吐き続けている悪阻の酷い妊婦は、常に精神ギリギリの状態です。1分1秒を必死で生きています。動くことすら辛い中、気を遣って苦笑いで聞き流すのも辛かったです。

私自身、自分が相当なレアケースであることは分かっていたので、どれくらい辛いのか他の人に分かってもらおうなんて思わないし、分かってもらえるとも思っていませんでした。

あなたがどれくらい辛いつわりだったのか知らないけれど、分かったようなこと言わないでほしい。(と心で叫んでいました。)どうか周囲につわりで苦しんでいる方がいたら、それこそ重症妊娠悪阻の診断の有無に関わらず「辛いよね」「無理しないでね」って寄り添ってあげてほしいです。

乗り越えた今、はっきりと言えることは、産後の育児よりもあの時のつわりのほうがよっぽど辛かったということです。

あの日々を乗り越えたからか、育児は楽しくて仕方ありません!さほど手のかからない育てやすい子が産まれてきてくれた、と思っています。

また、多くの妊婦さんが悩まれる「体重指導」なんてものとは無縁でした。産むまで吐いていたので、妊娠前の体重から一度もプラスになることなく出産でした。産んだ直後はさらに落ちたくらいです。

ただただ辛かったけれど、家族親族の協力がなければ重症妊娠悪阻は乗り越えられませんでした。一生わすれられない日々です。当時は、赤ちゃんのことよりも自身の体調のことで頭がいっぱいでしたが、無事に生まれてきてくれた今となってはあの時がんばって耐え抜くことができてよかったと心から思えます。

でも、私はもう二度と無理・・・かな(笑)

つるママ
つるママ
【追記】こんな目に遭ったのに6年後、また同じ思いをしています…正気の沙汰じゃないよね。笑
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みる
1989年生まれ。初めての子育てを機にブログを開始。我が子の成長記録や大切な家族との暮らしについて、気ままに綴っています。