検査薬の線を確認し、ドキドキしながら初めて夫と訪れた産婦人科。
「おめでとうございます!」の次に聞こえてきたのが「うわぁ~、筋腫が多いな~。えぇーーっ。ゴロゴロあるわ~‥」という先生の言葉。
すごく驚き、それと同時に無事に出産できるのか不安になったのを覚えています。
子宮筋腫を複数もちながらも、自然分娩で無事に出産できた私の初産の記録です。
- 自分や妻に子宮筋腫がある
- 子宮筋腫合併妊娠中である
- 子宮筋腫があっても自然分娩できるのか知りたい
- 筋腫がどうなると帝王切開になるのか知りたい
- 出産レポが読みたい
すぐに読める目次
妊娠発覚
わたしたち夫婦は、排卵検査薬を使用しタイミング法で妊活を行っていました。基礎体温を測っていたのですが、これまでにない高温期の安定感から「これは…!」と自信がありました(笑)
妊娠が発覚したのは3w6dの夜。
生理予定日当日から使用できる「チェックワンファスト」を使用しました!待ち切れず予定日前日に(笑)
くっきりと濃い線がついて夫婦で大喜び!たった数ヶ月でしたが、待ちわびていたので、本当に嬉しくて、たまらない気持ちでした。
とにかく初診が待ち遠しかったのを覚えています。心拍確認まではドキドキですよね。
初診(子宮筋腫が見つかる)
5w2dで初診へ。
無事に胎嚢が確認でき、妊娠が確定!と同時に、子宮筋腫も発見される…。
子宮筋腫は珍しくない腫瘍です。小さなものも含めると、30歳以上の女性の20-30%にみられます。がん(悪性の腫瘍)ではありませんが、貧血や痛みなど様々な症状の原因となります。筋腫は卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなります。閉経すると、逆に小さくなります。複数個できることが多く、数や大きさはさまざまです。
引用:日本産科婦人科学会より
無事に産まれてくれれば、自然分娩でも帝王切開でもなんでもいい!というのが、この時の正直な気持ちでした。
「子宮筋腫合併妊娠」自体はさほど珍しいものではないようですが、切迫流産や早産をはじめ、前置胎盤や胎盤早期剥離、胎児の発育不全などいろいろなリスクがあります。
筋腫だらけでおなかの中せまいだろうけど、どうか無事に育ってほしい…!!
妊娠中(子宮筋腫合併妊娠)
妊娠初期
つわりが酷く、特に妊娠初期は重症妊娠悪阻で入院生活を送っていたので、その頃は「子宮筋腫」の存在を感じることはありませんでした。
それどころではなかった、というのが正直なところです。
ただ、子宮筋腫があり帝王切開になるかもしれないリスクのある状態だったので、重症妊娠悪阻で入院先の「総合病院」が産院に決まり、ここなら大丈夫かなとほっとしました。
妊娠中期
転院先の総合病院での検診にて腹部エコー
ちなみにこの頃、一度逆子ちゃんになったことがありましたが、特になにをするわけでもなく戻りました。後期に入ってからの逆子ちゃんは体操などして戻るよう促すようですね。
筋腫だらけで狭いだろうと思っていたので、赤ちゃんが回転できるくらいのスペースがあることにホッとしました。
妊娠後期
筋腫の位置をみていただくため、腹部のあとに経膣エコー!
というわけで、妊娠後期になってからの経膣エコーで、赤ちゃんの出てくる通り道である産道をふさぐような位置には筋腫がないことが分かりました。
この時期のエコーで、筋腫の大きさや位置をみて、帝王切開になるかどうか決まるようです。
ちなみに気になったので、もし帝王切開になった場合、その手術で一緒に筋腫を取り除くことは可能か聞いてみたのですが、分娩と一緒に摘出を行うことは難しいとのことでした。(あくまで私がお世話になった産院の回答です)
ちなみに私の場合、お腹が大きくなってきても、特別張ったり痛みが出たり、というようなトラブルはそれほどありませんでした。安静指示も出ませんでした。(つわりでたいして動けなかったから毎日が安静みたいなものだったけど)
たまに下腹部がキリキリ痛むと、これは筋腫の痛みかなぁ?と思うことがあったくらいで、妊娠中に子宮筋腫があることでなにか影響を受けたということはありませんでした。
陣痛~出産(子宮筋腫合併妊娠)
ここからは私の出産レポになります。記録にもなるので残しておきます。
前駆陣痛
37w1d
▶1:00 前駆陣痛が始まった。感覚は5~15分とまばらで、重い生理痛のような痛み。大を出したくなる感覚で、夜中に何度もトイレへ。痛みの間隔を測るアプリを使っていたら、一睡もできずに朝を迎えた。
▶13:00 内診で前駆陣痛が始まったことを伝えるも、先生には「まだまだかな~?」と言われる。赤ちゃんは下がって頭もハマっているとのこと。内診でぐりぐりと刺激してもらった。
▶18:00 ナプキンに茶色いおりものが付く。大量の粘液栓が3回ほど出る。鮮血混じり。
本陣痛
37w2d
▶0:00 相変わらずの前駆陣痛。感覚も5~30分とまばら。ひたすら痛みに耐える。もともと生理痛も酷いので、この痛みに慣れているからか「あ~痛い痛い」と声を出すレベルの痛みに耐え続ける。合間に少し寝れたが、痛みですぐに目覚める。
▶10:00 ナプキンに茶色いおりもの。また粘液栓が出る。
▶12:00 合間に少し寝れたが、痛みですぐに目覚める。
▶13:00 おしるし(赤ピンクのおりもの)あり。その後、夫が仕事から帰宅。
▶15:30 陣痛感覚7分前後。夫がいるし金曜日で休診日前なので、念のために病院へ。前駆陣痛だろうから帰される覚悟だが、一応入院バッグも持参。
▶16:00 内診(主治医ではない先生でした)「おぉっ!ええ感じやねぇ!刺激しとくわ!(ぐりぐり)3、4、、よし、、、5センチ!!いいね~!このまま産もう。今夜かな~?」と言われ、驚きとともにテンションが上がる!
そのまま陣痛室へ。お産を進めるため、自力で歩いて向かう。夫が、私の家族など各所へ連絡してくれる。
初産婦で5センチはすごい!よく家で耐えたね~!頑張ったねー!といろんな人に褒められる。(前駆陣痛だと思っていたのが、まさかの本陣痛だった)
陣痛室で初めてのNST。次回38週の検診時の予定だったが、ぶっつけ本番(笑)
▶20:30 ひたすら陣痛に耐える。5分間隔ぐらい。合間には笑顔で話せるくらい余裕がある。陣痛時のフゥーフゥー呼吸法を褒められる。腰さすり&テニスボール押し役は夫。子宮口6~7センチ。
▶21:00 陣痛が強くなり、呼吸法が難しくなってくる。声を出さずにはいられなくなり「フゥーができない!」「痛い痛い!」と叫んでしまう。つわりがありごはんが全然食べられず、ウイダーinゼリーを飲むも嘔吐。
▶22:30 子宮口7.5センチ。あまり進んでいなくてがっかり。赤ちゃんの向きがおもわしくなく(回旋異常)四つん這いをするよう言われ必死。
回旋異常とは、子宮内にいる胎児が何らかの理由によりうまく回旋ができない状態を指します。 子宮内にいる胎児は、背中を丸めて顎を軽く引き、腕組みをしながら丸まるような姿勢をとっています。 陣痛が始まって分娩時になると、狭い骨盤や産道を通るために少しずつ頭や体の向きを変えていきます。このときの胎児の一連の動きを回旋と呼び、回旋は4段階に分けることができます。第一回旋から第四回旋までの間、胎児はなるべく負担がかからないよう体勢や体の向きを変え続けますが、何らかの理由でこれらの回旋がうまくできないことがあります。これを回旋異常と呼び、主に第二回旋の異常を指します。回旋異常をおこすと分娩に時間がかかるだけでなく、分娩停止をおこすことがあります。
引用:メディカルノートより
37w3d
▶1:30 陣痛は3分間隔。子宮口8センチ。助産師さんの内診で破水。なにかがパチンッと弾けた感覚に感動。あったかいのがビシャー。陣痛の合間に、四つん這いでおしりフリフリ。もうこの時点でかなりきつく、拷問状態。
しかし頑張りすぎて、黄色い胃液を大量嘔吐。シーツ交換に着替え。子宮口8センチで立って着替える私に、助産師さんたちが驚く(笑)着替え中に2度陣痛に襲われたけどなんとか着替え完了。
気づけばフゥーはあ゛あ゛ーになり、痛すぎて赤ちゃんに酸素を送るのが大変。ここから何度も内診、四つん這いでの内診、陣痛が来ているときも内診だったので、大泣きで叫びながら助産師さんのゴッドハンド回旋を祈るも、微妙。
▶3:30 子宮口全開!やっと分娩室へ行ける、と思ったら、まだ回旋異常のため行けないと。「もう出そう!出したい!」と叫び、ついに心が折れそうで「もう切って」「いつ出せるの」「10センチなのになんで」「もうだめ限界だー」叫ぶ叫ぶ。
赤ちゃん頑張ってるからお母さんが諦めたらだめだよ、と助産師さんや研修生の子に諭される。
あまりの痛みと体力の限界で、もう四つん這いは難しいとなり、助産師さんのゴッドハンドに陣痛の力を借りて回旋させることに。陣痛室で、5,6回いきむ。
いきんだら、いい感じで頭がおりてきてくれて、ついに分娩室へ!もうこの時には痛すぎて意識朦朧、疲労困憊。
出産
▶4:?? 分娩開始。ビデオをまわす夫が泣いている。陣痛の痛みがあまりにもすごすぎて、叫んでのたうち回って、握りバーが取れそうなくらい。
この痛みをいきみに利用することを知り(いきんでいる間は痛くない)痛みが来るタイミングで、目を開けて息を止めて、いきむ!
15回くらいはいきんだかな‥?途中で先生が来て麻酔をうって、会陰切開。他が痛すぎてか、麻酔のおかげなのか、チョキンチョキンはちょっと痛いくらいだった。(チョキンの音は響き渡っていた)
▶4:45 頭が出た後、皆さんに引っ張りだされながら、娘誕生!おおきな声で泣いてくれました!可愛くて可愛くて感動した!!(ドゥルンっていう感覚はなかったです)
その後、子宮収縮剤の点滴ルートを繋がれ、会陰切開の縫合。その間、赤ちゃんと家族団らんのひと時。親が「おめでとう!ありがとう!」と夫に握手していたのが印象的だった。
産んだ直後~2時間ほど、子宮収縮剤の点滴もあってか、子宮がもとの大きさに戻ろうとする痛みが、生理痛のような感じであってびっくりした。
分娩所要時間は29時間でした!(本陣痛開始~胎盤が出るまで)
そのうち病院で過ごしたのは12時間なので、家で耐えすぎたことがよく分かります(笑)
胎盤が出たら、つわりがピタッと終わって感動しました…!
産後
子宮筋腫合併妊娠でしたが、わたしの場合は自然分娩で出産できました!
回旋異常や引っ張り出されながらの出産にはなったものの、元気いっぱいで産まれてきてくれたことに感謝です。
回旋異常は、後から調べてみると筋腫が邪魔をしておこることもあるようですが、私の分娩がそうだったとは言われませんでした。四つん這い&何度かいきむことで、緊急帝王切開になることなく。うまく回っておりてきてくれたので本当に良かったです。
ちなみに出産は、痛かったけれど妊娠中ずーっと続いたつわりに比べたら、へでもないくらい余裕だと思いました。(重症妊娠悪阻の経験者はみなそう思うのではないだろうか‥)なんなら、出産は楽しかったです。←めっちゃ泣き叫んだくせに(笑)
子宮筋腫のせいか、もともと生理痛が酷い方だったのですが、産後にやってきた生理はぜんぜん生理痛がなく!大喜び!したのもつかの間、3回目で生理痛しっかり復活しました(涙)
でも、摘出してもまたできる可能性もある。そして子宮筋腫を取り除く手術をすると、もし次妊娠した場合、開腹手術歴から自然分娩ではなく帝王切開になる。だから、大きな悪さをしてこない限りはうまく?子宮筋腫と付き合っていこう、と今のところは思っています。
ちなみに私の場合は、妊娠して子宮筋腫が発覚しましたが、妊娠前に子宮筋腫が発見されていたら摘出していたかもしれません。
子宮筋腫について
子宮筋腫について、ぜひ読んでいただきたい記事を見つけたので紹介させてください。(引用元:サワイ健康推進課)
5cm以上の子宮筋腫は不妊の原因に
しかし、子宮筋腫が原因で不妊や流産を繰り返すこともあります。妊娠を希望する場合、筋腫の小さい間に手術をして摘出することを考えてもいいでしょう。10cm以上になると子宮の形が変わり着床障害が起きやすくなります。
不妊の原因がないのに、妊娠を望んでから1~2年以上妊娠しない人は子宮筋腫の検査を。もし子宮筋腫があれば、摘出すると妊娠率は上がりやすくなります。
子宮筋腫を摘出して1年後に50%の人が自然妊娠したというデータもあります。子宮筋腫をそのままにして体外受精などをしても、着床しにくいので、不妊治療の前に子宮環境を整えることをおすすめします。
不妊や流産を繰り返す場合は、ぜひ受診して医師と相談してみましょう。
大きな筋腫は不妊の原因になっていることもあります。また、私の場合は無事出産できましたが、子宮筋腫が原因で発育不全になってしまったり流産してしまうこともあるのです。恐ろしい…。
妊娠の有無に限らず、女性にはぜひ一度婦人科を受診していただきたいです。私も定期的に検査しに行きたいと思います。
→【追記:その後、子宮筋腫を摘出しました!】
長々と読んでくださってありがとうございました!以上、つるママでした。